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66000回のI love you

  • 執筆者の写真: toohironman
    toohironman
  • 2018年10月11日
  • 読了時間: 7分

僕がカメラを本格的に始めたのは、娘が生まれる少し前の事です。もともと、父がカメラ好きで家にあったニコンのカメラを触ってた事もあって、娘の写真を撮りたいなと思うようになったという流れです。 最初に買ったカメラはNikon F100。当時「リトルニコン」としてフラッグシップであるF5に次ぐ機種として発売されて間もない頃だったと思います。それに80-200 F2.8とマクロレンズ、今も使ってる85mmf1.4Dで娘の写真を撮っていました。主にネガフィルムで撮ってましたが、だんだんハマるようになってからは風景や花をポジで撮るようにもなりました。スライドボックスやルーペなんかも買い込んだなあ。

娘が小学校に上がる頃にデジタル一眼に移行。D50とD300の二台、レンズはシグマの70-200 ニコンのサンヨンを主に使ってました。この頃から、某地方新聞社のボランティアで高校野球の取材撮影なんかをするようになり、スタンドで応援するマネージャーや控え部員の写真を撮ったりしていました。

もともとそんな背景で写真を撮る事を趣味としてたんですが、一方でヲタ活にもハマっていました。ちょうどカメラをD750に変えた頃、チーム8のイベントで撮影ができる事を知りました。Twitterには「有名カメコ」が撮った8のメンバーの写真が数多くUPされており「これは…俺も撮りたい…」そう思って、福島県の郡山で開催された「ドラキ福島」に行ったのがアイドルを撮影した最初の機会でした。 それ以来、すっかりアイドル(というかチーム8)撮影にハマった僕は北海道から鹿児島まで、それこそ全国を飛び回りました。望遠レンズを新たに買ったり、現地で速報を打つためにノートPCを新調したり…すっごい楽しんでましたね。イベントを待つ徹夜の間に親しい仲間が出来たりもしましたし。

ちょうど年が変わる頃、8のイベントが少なくなった事もありカメコ仲間に誘われて「撮影会」に行くようになりました。最初はフレッシュのセッションからで、モデルさんから「個撮」というものがある事を聞き、気に入ったモデルさんの枠を申し込んだりしました。 と同時に、それまで行った事がなかった「地下アイドル」で撮影可のライブがあると聞き、ライブハウスに足を運ぶようになったのもこの頃です。

「奇跡」 辞書を調べると、自然を超える力によって起きる理性ではとらえられない超自然的な現象や出来事を指し、宗教的な意味合いを持っている言葉とされています。 そういう意味では、僕と彼女との出会いは(彼女がそう言ってくれたように)「奇跡」だったんだと今でも思います。

毎年春先になると花粉症に悩まされる僕は、その日も朝から体調が良くなかった事を覚えています。確か開場時間も午前中の早い時間のライブでした。直前まで行くのを迷ってたんですが、仲の良いカメコ仲間に誘われてなかったらたぶん行くのをやめていたと思います。 出動が出遅れた事もあり、会場の池袋ルイードK3には結構多くの人がフロアを埋めていました。当時勢いに一番乗っていた「キャンディZOO」が前半に登場するという事もあったんでしょうね。僕は後方エリアで踏み台に乗って撮ってましたが、暗くて激しく点滅する照明による色被りでまともな写真なんてほとんど撮れませんでした。 こりゃだめだ…そう思ってカメラを仕舞いかけました。当時は物販に行く習慣もまったくなかったし体調も悪いから帰ろうかな…とまで思いました。そこへ「をっさん、ここ空きますよ」と塩サイダー氏。思えば、この一言も「奇跡」を起こす重要な要素だったのかもしれませんね。キャンZOOの物販に行く塩さんと場所を代わってもらって、最前上手へ。

そこに現れたのが、ノンシュガーでした。

ユニフォーム衣装。確かれなてんと栗野が休演だったと思います。最初の曲は「勇気とLink」でした。後にひょんな事でこの時の映像(後方から撮ったもの)を目にする機会があったのですが、大好きな曲で目の前に彼女がいるのに、僕は下を向いて撮った写真のチェックなんかしてるんですよねw それでも最初はチラチラ程度しか見ていなかったステージから僕はいつの間にか目が離せなくなってしまっていました。 「え?この子ゆーりんに似てるなあ」僕の彼女への第一印象です。 僕は高島祐莉奈ちゃんが大好きでした。卒業の時はそれなりに凹みました。 そんな彼女の面影を重ねたわけではないのですが、僕はステージの上で青い衣装に身を包んだ一人の子をずっと目で追っていました。

記念すべきファーストショットは撮影可能曲だった「日曜朝練アイドル」の中で撮られました。紫の色被りがひどく薄暗い環境。条件としては最悪に近い環境での一枚でした。決して「いい写真」ではないと思います。でも、僕にとって、この一枚が全ての始まりの一枚でした。

「もう一度撮りたい。ライブで歌う彼女の姿を見たい」 帰宅した僕は、ネットでノンシュガーの情報を漁るように集めました。日曜の朝に「朝練」と呼ばれる定期公演を行っていること、その中で一曲撮影可能曲を設けている事をすぐに知る事が出来ました。早速、彼女たちのホームである新宿角座にいく事にしました。 どことなくアットホームな雰囲気の中でのライブでした。今でこそ、照明が明るくなって色被りも少なくなった角座ですが、当時は撮影にはかなり厳しい環境でした。それでも、僕はとにかくこのノンシュガーというグループにすごく魅力を感じてしまいました。ちょうど、二期生の加入、ゆうにゃの生誕祭、一周年記念朝練…といろんなトピックスが続いた時期という事もあり、その中でいろんな彼女たちのエピソードを知る事が出来た事もあったのかもしれません。

最初の頃は皆勤というわけではなかったのですが、朝練や対バン、野外でのライブ…と見に行く頻度が徐々に増えていきました。その頃、僕は今に至る持病を発症したばかりの頃で、健康面でもメンタル面でも色々と問題を抱えていた時期でした。そんな中、意を決して初めて行った物販で(最初の2か月はライブ終わったらとっとと帰ってました。今でもその事をネタにされますw)真っ先に僕の体調を心配してくれて、また僕の撮る写真をどれだけ楽しみにしてくれているのかを、一生懸命話してくれる彼女の話を聞き、僕の中の何かに大きく響いた音がしたのを感じました。それまでたくさんのアイドルを撮ってきました。でも、僕が撮る写真をこんなにも楽しみにしてくれてる子がいたんだ…そう思うと、何か報われたというか表現しがたい感情が生まれたんです。

僕は彼女を撮る事に、文字通り「夢中に」なりました。どんな小さな対バンでも、平日でも休日でもスケジュールを調整して彼女に会いに行くようにしました。一進一退する病状の中、手術したり入院したりを繰り返す中でも。僕の写真を「好き」って言ってくれるのは彼女だけではありませんでした。メンバーみんなの、病に臥せった僕に「写真楽しみしてるから、早く帰ってきてね」という言葉が僕をどれだけ励ましたかわかりません。

「いい写真」ってどんな写真の事なんだろう? それまで僕は、その事にそれほど真剣に向き合った事がありませんでした。 ライブの中、笑顔で目線が来てる写真?躍動感を感じる写真?一瞬の何気ない瞬間の表情を綺麗に撮った写真?どれも正解なのかもしれません。

僕がその答えを見つけたのは、物販で30秒撮影が始まってからでした。「30秒のデート」僕は物販撮影をそう呼んでいます。ステージの上ではみんなのアイドル。でも、この30秒だけは僕だけのアイドル。僕は、一枚一枚、あふれそうになる想いを閉じ込めるようにシャッターを切りました。そう、言葉に出来ない想いを。

僕にとって写真は「ラブレター」です。 いい写真かどうかなんてわかりません。 でも、僕の写真には僕にしか撮れない「何か」が写ってる。そう思っています。

写真って、一瞬一瞬を切り取るもので普段目にしない瞬間が写しこまれると言います。でも、僕はそこに映し込まれるのが、自分の「好きだ」って想いであってほしいと思って一枚一枚を撮ってきました。

今まで撮った写真の枚数を数えてみよう。 今まで何度か思った事ですが、あまりの数になかなか実行に移せずにいました。 たぶん、万の単位で撮ってきたとは思ってはいたのですが…

66,000枚ちょうど。

こんなにあったのか…僕ですら数えててびっくりしました。

こないだのマイスタイベントで、僕は6冊目の写真集をプレゼントしました。 彼女が好きな数字…ユニフォーム衣装の背番号にもなっている「6」に合わせた訳ではなくまったくの偶然です。

一枚一枚に「大好き」の気持ちを込めました。 その中から写真集に載せる写真を選ぶのはとても楽しいけど大変な作業でした。

66,000回の「I love you」 永遠の片想い。でも、きっと届いた涼想い。

きっと戻ってきます。 66,001回目の「I love you」を伝える為に。

その時まで

またね。


 
 
 

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